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くらしに寄り添う植物「へちま」

意外に身近!?へちまに関するまめ知識をご紹介します。

へちまってどんな植物?

へちまは、キュウリやカボチャと同じウリ科の植物。夏になると黄色い愛らしい花を咲かせ、くるくるしたまきひげのツルを使って太陽の光を浴びようと上へ上へと伸びて葉をたくさん広げます。秋になると、ダルマ型の実がどんどん大きくなって、実の中ではタテヨコに編んだように繊維が発達していきます。中秋の名月の晩のころにへちまの茎を切ると、ぽたぽたとこぼれ落ちる「へちま水」を集めることができます。

愛され続けてきた「美人水」

へちまの原産地は、インドを中心とする熱帯アジア。日本には中国を経由して江戸時代に伝わったとされ、古い書物や和歌にもへちまがたびたび登場します。女性の間では当時からへちま水が化粧水として普及しており、「美人水」の名称で親しまれていたと言われます。へちま水は古くから女性達に愛され続けてきた、伝統の化粧水といえます。

へちまと暮らそう

夏の終わり、へちまの実の中では種に栄養を届けるために繊維がどんどん発達していきます。この丈夫な繊維は昔から生活資材として重宝され、へちまたわしとして愛用されています。たっぷりと水を吸い、使うほどに柔らかくなるへちまたわしは、お肌にも優しい天然素材です。ボディブラシの他にも、洗顔用や食器洗いのスポンジとしても大活躍しています。

また、繊維が発達する前の若いへちまの果肉は、食用としても人気です。とろりと口の中でほぐれて驚くほど美味しいですよ。中国や沖縄、南西諸島ではへちまは定番の夏野菜です。沖縄ではナーベラーという別名で親しまれ、食卓を彩っています。

つる性で育てやすいへちまは、夏の強い日差しを遮るグリーンカーテンとしても用いられます。へちまの青々とした大きな葉と愛らしい黄色い花は夏の青空によく映えます。